日本生気象学会雑誌
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瀬戸内地域における夕凪の蒸し暑さに関する気候学的研究
福岡 義隆
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1985 年 22 巻 2 号 p. 101-107

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抄録

瀬戸内地域は, 平均値気候学の立場からは温和な気候を示す地域と考えられている.しかし実際には, 時折, 太平洋側や日本海側よりも夏に蒸し暑く冬に寒いことがある.とくに夏の夕凪は西日本で非常に有名で, かなり暑く, 心理的にも蒸し暑いと思われやすい.
著者は夕凪の蒸し暑さ (YS) を次式のように表現することを試みた.
YS=P1+P2+P3+P4
ここに, P1, P2, P3およびP4はそれぞれ, 物理的要因, 人為的な熱汚染, 生理学的気候および心理学的気候を意味する.
YSは広島, 岡山や他の都市で観測されたような都市温度により強められること, およびYSは明らかに不快指数の時間的変化によって認識されることなどが結論される.

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