1985 年 47 巻 2 号 p. 169-175
合理的な玄米調質条件を見い出すために薄い層の調質実験を実施した。本報は玄米初期水分, 通風空気の温湿度および玄米品種と吸水速度, 調質後の玄米品質, 搗精消費電力量および精米品質との関係について述べる。吸水速度は初期水分が低く, 通風空気の温湿度が高い場合に大きな値を示した。品種間に吸水速度の差異が認められ, 一般に充実度の高い玄米は大きな吸水速度を示した。玄米調質を行なうことによって搗精消費電力量が減少した。精米中の砕粒率は玄米の胴割率と正の相関関係があった。精米の胚芽残存率は調質を行なうことによって減少した。調質による精米の脂肪酸度の増加は極めて少なかった。