1991 年 53 巻 1 号 p. 3-11
本研究はアルコールをディーゼル機関の吸気管から吸入させる手法 (以下これを気化ディーゼル法とする) によりトラクタ搭載機関の燃料として使用することを目的としている。本報では運転上必要な基本制御項目を満足させ, 機関の常用負荷範囲においてアルコールを燃料として使用できる軽油・アルコールニ燃料の制御方法を考案し, 静特性及び動特性実験を行った。静特性実験からは農用機関の重要な性能項目の1つであるトルク特性が任意に設定でき, 今回設定された最大軸出力線上におけるエタノールによる軽油代替率は熱量割合で50%以上に達することが明らかにされた。また, 動特性実験では4/4負荷から無負荷に約2秒で変化させた場合, 瞬時速度変動率が約13.5%であり, 制御量は約5秒程度で整定し, 考案した機関制御法は実用できる可能性があると判定された。