1993 年 31 巻 10 号 p. 1327-1331
症例は57歳, 男性. 昭和60年に肺結核の診断にて左上葉切除術を受けた. 昭和63年, 喀痰より Aspergillus 属が検出され, 胸部X線にて左上葉の遺残空洞内に菌球を認め, 肺アスペルギローマと診断された. 平成4年6月よりアムホテリシン来B (AMPH) の経皮的空洞内注入を開始. AMPHの投与総量が1,000mgとなった時点でも菌球の縮小を認めないため, 9月よりウリナスタチン10万単位の全身投与を21日間併用した. 炎症所見は改善し, 菌球も完全に消失し, ウリナスタチンの併用が肺アスペルギローマの治療に有効と考えられた.