1973 年 1973 巻 1 号 p. 123-125
メチルビニルケトン(MVK)[1]はアルコール溶媒中において,塩化コバルト(II)-または塩化ニヅケルの水和物とトリフェニルボスフィソの混合系を触媒として,空気中,室温で容易に二量化し,収率約50~60%,選択率100%で3-メチレン-2, 6-ヘプタンジオン[2]を与えることを見いだした。収率はホスフィン/金属モル比約3で一定となる。塩化ロジウム-,塩化ルテニウム-あるいは塩化パラジウム-トリフェニルポスフィン系触媒を用いた場合には[2]のほかにB-エトキシエチルメチルケトン[3]も生成した。
触媒として,金属塩のみを用いた場合はMVKの二量化反応は起こらず,一方,トリフェニルポスフィソのみを用いた反応では数%の収率で[2]が生成した。プロトン性溶媒の存在が二量化症応には不可欠である。
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