日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
遷移金属塩-トリフェニルホスフィン系触媒によるメチルビニルケトンの二量化反応
宮腰 哲雄大道 弘昭斎藤 鐘次郎
著者情報
ジャーナル フリー

1973 年 1973 巻 1 号 p. 123-125

詳細
抄録

メチルビニルケトン(MVK)[1]はアルコール溶媒中において,塩化コバルト(II)-または塩化ニヅケルの水和物とトリフェニルボスフィソの混合系を触媒として,空気中,室温で容易に二量化し,収率約50~60%,選択率100%で3-メチレン-2, 6-ヘプタンジオン[2]を与えることを見いだした。収率はホスフィン/金属モル比約3で一定となる。塩化ロジウム-,塩化ルテニウム-あるいは塩化パラジウム-トリフェニルポスフィン系触媒を用いた場合には[2]のほかにB-エトキシエチルメチルケトン[3]も生成した。
触媒として,金属塩のみを用いた場合はMVKの二量化反応は起こらず,一方,トリフェニルポスフィソのみを用いた反応では数%の収率で[2]が生成した。プロトン性溶媒の存在が二量化症応には不可欠である。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top