日本化学会誌(化学と工業化学)
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9,9-ジクロロフルオレンおよびジアミンからビスアゾメチン顔料の合成
田中 基雄関口 辰夫関谷 茂
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1973 年 1973 巻 1 号 p. 126-131

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抄録

フルオレソを酸化してフルオレノソとしたのち,五塩化リンで塩素化することにより9,9-ジクロロフルオレソが生成する。これを芳香族ジアミンあるいは複素環ジアミンとともに不活性有機溶媒に混合し,ジアミンの種類により反応促進剤として塩化亜鉛を加えて加熱した。実験の結果,13種類の顔料が得られた。これらはフルオレソ2分子とジアミン1分子がアゾメチン基によって結合した対称型構造を有すると考えられ,つぎのような性質を示した。
まず色調は全般的に緑黄色ないし黄カッ色を呈し,ベンジジン系顔料では置換基の影響で,またアンラキノソ系顔料では共役系の影響でそれぞれ黄色ないし黄カヅ色になった。耐溶媒性はP-フエニレンジアミソ,ペソジジン系および1,4-ジアミノアントラキノから賦した顔料は数種類の有機醗にわずかに溶けたのに対し,複素環系ジアミン,1,5-および2,6-ジアミノアントラキノンから誘導した顔料はすぐれた堅冒ウ度を示した。一方,耐光性は4,6-ジアミノ-5-ニトロピリミジンから誘導した顔料以外はいずれも良好で,ジアミンの種類による影響は少ないことが認められた。

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