1989 年 1989 巻 4 号 p. 740-743
緑藻 Dunaliella sp.の有するヒ素生体蓄積を利用した効率的なヒ素の回収技術を開発するため, ヒ素(V)10mg・l-1を含む人工溶液を対象として, Dunaliella sp. のヒ素蓄積におよぼす環境因子 (pH温度, 塩分, 照度) の影響を調べ, ヒ素蓄積のための最適条件を明らかにした。
その結果, それぞれの環境因子において, pH; 8~9, 温度;約20℃, 塩分;約20g NaCl・l-1, 照度;4000lux のそれぞれの条件下で, Decnaliella sp. はヒ素取り込み速度が大きく, もっとも多量のヒ素を細胞中に蓄積することがわかった。したがって, Dunaliella sp. のヒ素蓄積は細胞内の光合成作用に関係している環境条件にいちじるしく影響を受ける。
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