工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
溶融塩化マグネシウム系への金属マグネシウムの溶解
小村 照寿今永 広人渡辺 信淳中西 浩一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1968 年 71 巻 12 号 p. 1976-1979

詳細
抄録

溶融MgCl2 系に対する金属Mgの溶解度とMg濃淡電池の起電力が750℃で測定された。Mg濃淡電池の起電力はMgの濃度の対数に直線的に依存することがわかった。この依存性の勾配からMgの溶解生成物はMgoまたはMg22+であることが推定された。
溶融MgCl2に対するMgの溶解度はアルカリ塩化物の添加によって減少し, その減少割合はアルカリ金属の原子番号の増加とともに増大することが認められた。アルカリ塩化物系ではその原子番号の増加とともにMgCl2との錯形成能が増大するので, Mgの溶解度は溶解塩中のMg2+ 活量に比例すると考えられる。したがって, 溶融塩中におけるMgの溶解種はMgoよりもむしろMg22+イオンであると結論されるであろう。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top