工業化学雑誌
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分散型蛍光増白染料の異常光退色-膜物質上における光退色-
矢部 章彦C.H. Giles林 雅子
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1969 年 72 巻 1 号 p. 258-261

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抄録

染料の日光堅ロウ度は一般に基質上の染着濃度の増加とともに増大する。そしてこの一般的傾向は著者の一人(C.H.G.)の提示した光退色特性曲線(CF曲線)によってよく説明される。著者らは,分散型蛍光増白染料の繊維膜物質上の光退色を定量的に研究しているうち,染着濃度が増すにつれ退色速度が早くなるという明らかな異常現象を見出した。この事実は光退色機構の解明に新端緒をあたえるものと考えられる。本報においては,6-ナイロン,ポリエステル,ジアセテート,トリアセテートの膜中における下記の3種の染料の光退色異常につき報告する。この染料は市販の代表的な耐光性のよい蛍光増白染料のモデルとしてとりあげたものである。
光退色機構に関するいっそう詳細な報告に先立ち,若干の一般的考察を併せ試みた。

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