1971 年 74 巻 5 号 p. 872-875
酸性溶液中における二酸化マンガンの電解析出および還元反応をサイクリックボルタメソトリーにより検討を行ない,主に還元反応について考察した。えられた結果を要約すると次のとおりである。
(1)二酸化マンガンの析出電位は,pHが高くなると卑になるが,酸素発生電位は逆に貴になる。(2)還元反応の分極曲線はpHにより異なった傾向を示す。pH1。2以下では,二酸化マンガンの溶解につづいて低次の酸化物の溶解に対応したピークがあらわれる。(3)pH2以上になると,二酸化・マンガンから低次の酸化物への還元反応および低次の酸化物の溶解に対応したピークがみられ,二酸化マンガンの還元反応は低次の酸化物を経由する反応と考えた。
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