1953 年 17 巻 3 号 p. 95-98
固-液系攪拌における攪拌効果を定量的に測定するため稀薄苛性ソーダ溶液の安息香酸錠剤による中和速度を種々の條件で測定した。その結果次のような結論が得られた。
(1) 流動化の開始にはFig. 1b, cに示す如く2つの形式即ちタイプIおよびタイプIIがあり,攪拌効果においてはタイプIが優れている。
(2) 固体粒子が液中に浮游又は分散するに必要なある限界速度Ncがあり,この速度以下においては攪拌速度Nの増加に伴い中和速度は急激に増大するがNc以上の速度になるとNの増加に拌う中和速度の変化率が小になる。從つてこの限界攪拌速度Ncは固-液系攪拌に対して重要な効果判定の基準となる。
(3) 攪拌槽の周壁に邪魔板を入れてもあまり効果的でない。
その他2, 3の攪拌條件を比較して固-液系攪拌に対する適当な設計方法を論じた。