Journal of Pesticide Science
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水稲 (Oryza satiua L.) とウリカワ (Sagittaria pygmaea MIQ.) におけるナプロアニリドの選択性と吸収性
小山田 正美田中 俊実高沢 良夫竹松 哲夫
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1985 年 10 巻 3 号 p. 469-474

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抄録

ナプロアニリドによる水稲と広葉, カヤツリグサ科雑草間の選択殺草作用, および実用的使用場面を考慮した試験で水稲およびウリカワの吸収性の差について検討した. 出芽前処理におけるナプロアニリドによる水稲のED50は, ホタルイ, ウリカワに比べおのおの約130倍および380倍高かった. 出芽後処理において, ナプロアニリドはホタルイ, ウリカワ, タマガヤツリ, コナギおよびキカシグサに対して15g/a a. i. でほぼ90%の阻害を示し, 3g/a a. i. では完全に枯死した. これに対して水稲では60g/a a. i. までもほとんど抑制作用は見られなかった. 14C-ナプロアニリドは, 水稲よりウリカワで2倍吸収された. 化合物の吸収は, 水稲では茎基部と根部により吸収するが, 上部への移行は著しく制限された. ウリカワでは茎葉, 塊茎および根部に化合物が一様に分布した.

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© 日本農薬学会
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