Journal of Pesticide Science
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ビアラホス処理植物におけるアンモニア蓄積
ビアラホスの作用機構 (第2報)
橘 邦隆渡辺 哲郎関沢 泰治竹松 哲夫
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1986 年 11 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

前報の結果から, ビアラホス処理植物体内の遊離アンモニア含量の増加が示唆された. そこで処理植物のアンモニア含量を測定し, さらに殺草効果との関連について検討を行なった. ビアラボス処理による遊離アンモニア含量の増加は, 食用ビエ, メヒシバ, イヌビコおよびムラサキハマスゲで確認され, 処理後24~48時間で無処理の約30倍から100倍に達することがわかった また, アンモニアの蓄積は一過性ではなく持続的であった. 器管の間の比較では, 根よりも茎葉部に, 茎よりも葉により多く認められた. このような顕著なアンモニア蓄積は, 供試した他の除草剤には認められず, ビアラホスに特徴的な作用であった.
遊離アンモニア濃度の増加は殺草効果の発現に先立って認められ, その上, 両者に高い相関が認められたので, 殺草効果の主原因はアンモニアの毒性によることが強く示唆された.

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