1984 年 27 巻 4 号 p. 348-355
重質油の水素化処理触媒の開発に当たり, 脱硫脱金属の双方に高い性能を有する触媒を目的として検討を行った。その結果, 特定の粒子径および構造を有するカーボンブラックをアルミナ原料と混合して成形し, 最後にこれを焼成除去することにより, アルミナ一次粒子に基因するミクロ細孔の他に, 半径100Å~500Åの間に第2の細孔 (メソ細孔) を賦与できることがわかった。この細孔の位置, 量はカーボンブラックの種類および添加量により制御することができる。このアルミナに水素化活性成分を担持して得た触媒は, 高い脱硫活性を維持しつつ, 同時に重質油中の金属分を高効率で除去することがわかった。