石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
複合酸化物触媒による一酸化窒素の選択還元反応
田畑 光紀浜田 秀昭金田一 嘉昭佐々木 基伊藤 建彦
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 36 巻 3 号 p. 191-196

詳細
抄録

Al, Zr, Si, Ti, Zn, Mgから構成される種々の二元金属複合酸化物を触媒とし, 酸素過剰雰囲気下でのプロパンによるNOの選択還元反応を検討した。単独酸化物の中では, アルミナが最も高い活性を示したが, これに他の金属を複合させた複合酸化物の活性はアルミナよりも低かった。これに対して, 酸化亜鉛-シリカ, チタニア-シリカ複合酸化物は, これらを構成している元素の単独酸化物よりも高い活性を示した。元素構成比率の影響やアンモニアTPDスペクトル測定の結果から, 複合化による表面積の増加およびこれに伴う酸量の増加が活性向上の原因として考えられた。さらに, 吸収ピリジンの赤外吸収スペクトルによる酸化亜鉛-シリカ複合酸化物系の酸性質の検討結果から, ルイス酸点あるいはこれに関係するサイトが活性点になっている可能性が示唆された。

著者関連情報
© 公益社団法人石油学会
前の記事 次の記事
feedback
Top