分析化学
Print ISSN : 0525-1931
電気化学的溶媒としてのアセチルアセトンの精製と性質
藤永 太一郎岡崎 敏坂本 一光増田 薫李 興洛
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1980 年 29 巻 4 号 p. T24-T28

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抄録

新しい電気化学的溶媒としてのアセチルアセトン(H-AA)の精製法を検討した.市販特級H-AAはガスクロマトグラフィーによる分析の結果,(0.03~0.05)v/v%のアセトン,酢酸及び水を不純物として含み.電気伝導率(κ)は8.7×10-7Scm-1であった.水素化カルシウムで処理し減圧蒸留したH-AAでは,アセトンと酢酸は検出されず,水分は0.01v/v%,κは1×10-8Scm-1以下になった.過塩素酸ナトリウムやテトラブチルアンモニウム(TBAP)はH-AAにIM以上溶解し,H-AAの使用可能な電位範囲は0.1MのTBAP支持電解質中,滴下水銀電極で(-0.2~-2.25)V,静止白金電極では(+0.9~-2.35)V対銀/0.1M過塩素酸銀(H-AA)であった.又,H-AAの溶媒としての性質をアセトンやアルゴールと比較し,イオンの溶媒和などにおける電気化学的溶媒としての特性を明らかにした.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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