日本補綴歯科学会雑誌
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原著論文
厚さの異なるシートにおける吸引成形後のマウスガードの厚み
高橋 睦高橋 史森田 修己
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2008 年 52 巻 4 号 p. 465-472

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抄録

目的 : スポーツ時の顎口腔領域の外傷予防には, マウスガードの装着が有効である. 本研究では, 厚さの異なる2種類のシートの成形後の厚みについて比較検討を行うことを目的とした.
方法 : マウスガードシートに10mm四方の格子を印記し, 各格子の厚さをメジャリングディバイス®を用いて測定した. マウスガードシートは2mmおよび4mmの厚さのものを用い, 2種類の厚さのマウスガードシートの成形後のシート各部の厚みの違いをWilcoxon符号付順位和検定およびt 検定を用いて分析した. さらに, 成形後のシート各部の延びと厚みの関係を回帰分析により検討した.
結果 : シートの模型圧接部は, すべての部位で厚みが減少した. シート各部の厚さの変化は2mmシートと4mmシートで同様であった. 前歯部および口蓋部では, 2mmシートのほうが4mmシートに比較して厚みの変化率が大きかった (p < 0.01). 臼歯部の厚みの変化率は, 2mmシートと4mmシートで違いは認められなかった. 延びと厚みの関係は, 二次関数で表された.
結論 : 本研究の結果, 前歯部および口蓋部の厚みの減少率は2mmシートのほうが4mmシートよりも大きくなり, 臼歯部の厚みの減少率はシートの厚さによる違いがないことが明らかとなった.

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© 2008 社団法人日本補綴歯科学会
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