ASA class 1または2の肺合併症を持たない開腹術予定成人患者27名(平均58歳)を対象として,3週間後の退院時の肺機能を術前のそれと比較した.術後の鎮痛法により,患者をペンタゾシンの筋注群とブプレノルフィンの硬膜外投与群に分け,鎮痛法の肺機能への影響についても検討した.両群とも術後1秒率,残気率が有意に増加し,体表面積,比肺活量,努力肺活量,V50/V25,肺拡散能が有意に減少し,退院時においても肺機能障害が残存していた.血液ガス分析では有意の変化を認めなかった.また術後鎮痛法は3週間後の肺機能には影響しなかった.