1999 年 1999 巻 612 号 p. 229-238
塔状円柱の自由端近傍に発生する“自由端渦”が“高風速渦励振”を励起すると考えられている. 本研究では自由端渦の発生特性を調べるために, 円柱ロッキング模型の頂部に薄い円盤を設置して自由端近傍の流れを変化させることを試みた. 円盤の直径の増加とともに高風速渦励振の振幅は減少し, その発現風速は低風速側ヘシフトする傾向がみられた. 自由端近傍における後流風速変動の測定によって, この原因は自由端渦の発生が弱まると同時に, その周波数が増加するためであることを明らかにしている. また, 円盤の直径をある程度大きくすると, カルマン渦の放出周波数よりもやや低い周波数を有する渦の発生が自由端近傍において著しくなる. このことが応答に与える影響についても考察した.