1999 年 1999 巻 638 号 p. 363-369
本論文では, 波動と静的荷重を受ける不連続面 (界面) の動的干渉について実験, 数値解析を行い, 地震や山はね被害発生機構について考察する. 実験では, 高速度カメラを用いた動的光弾性法により, 波の干渉による光弾性縞変化の様子を撮影し, レーリー波の速度で界面を伝わる波により界面のすべりが誘起されることを示す. 数値解析では, 差分法に基づいた波動伝播シミュレータ・スウィフド (SWIFD) を用い界面波動抵抗比の影響について考察する. その結果, 異種材料間の界面がすべりを起こす際, 材料の組み合わせによっては,マッハ波の生成により特定の区域に非常に大きな粒子 (加) 速度が与えられることが示される. この種のマッハ波が兵庫県南部地震の際発生し, 所謂「震災の帯」を形成した可能性がある.