2016 年 72 巻 2 号 p. I_49-I_54
堤体に作用する高波などの非定常性の高い波・流れは境界条件によって容易かつ複雑にその様相が変化するため,設計波力の算定において,境界条件の設定が簡便な数値波動水槽による水理実験計測の代替・補助的活用が期待される.完全ラグランジュ型手法である粒子法は,流動粒子の挙動を移流項の数値拡散無く追跡が可能であり,高精度スキームの発展に伴って非定常波浪場への適用事例が増えつつある.一方で,粒子法における精度確保の根幹たるkernel関数の高精度スキームへの適用性については議論が不十分である.本研究では,kernel関数による高精度微分演算モデルの収束性を検討するとともに,高精度自由表面境界モデルへ高次kernel関数を新たに導入し,スロッシング現象のベンチマークテストから圧力擾乱の改善を確認した.