2017 年 73 巻 2 号 p. I_997-I_1002
強大な津波波力による防波堤ケーソンの滑動を防ぐために,粘り強い構造としてケーソン背後に腹付工を設置する方法が防波堤の耐津波設計ガイドラインに盛り込まれ,津波の越流に対する腹付工の洗掘に対する研究も進んでいる.一方で通常の高波の越波に対する腹付工の安定性についてはほとんど検討されてこなかった.そこで,本研究ではK港防波堤を対象として,その1/25縮尺の水理模型実験を行った.実験の結果から被災の有無を確認し,その際の流速・波高および動画のデータから被災の原因を検討した.また,越波による複雑な流況の確認をするため高精度粒子法による再現計算を行った.