The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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特集『内部障害のリハビリテーション―拡がる対象疾患とエビデンス―』
慢性肝疾患のリハビリテーション(肝臓リハビリテーション)
水田 敏彦
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2016 年 53 巻 11 号 p. 839-844

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抄録

 肝疾患領域におけるリハビリテーション(以下,リハ)の概念はいまだ確立していない.しかし高齢化,生活習慣関連肝疾患の増加,サルコペニアへの関心の高まりなど,運動療法への注目度は増している.慢性肝疾患ではさまざまな代謝異常を背景として,蛋白エネルギー低栄養やサルコペニアが起こりやすい.C型慢性肝炎や肝硬変患者に適切な栄養と運動療法を行うことにより,インスリン抵抗性や耐糖能異常が改善し,発がんリスクを低下させ得る可能性がある.心不全,呼吸不全,腎不全など他の臓器不全ではリハがすでに日常臨床で行われており,肝不全(慢性肝疾患)においても患者の予後やQOL改善のため肝リハ学の確立を急ぐ必要がある.

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© 2016 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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