近年はトマト, キュウリなどの果菜類の養液栽培が盛んに行われている. しかし, トマトの花芽分化および結実に及ぼす養液温度すなわち根温の影響に関する報告は多くはない (2,8, 10,16, 17). トマトの生育に対する適地温に関しては, 著者らは前報で20°~30°Cの範囲にあること (6), Cooper (3) は25°C, Harsserna (9) は20°~30°C, 堀ら (10) は18°~28°C, Riethmann (17) は30°Cとしている. 適地温が多少異なる理由の一つは,供試苗の発育段階が異なることが関係していると考えられる. 本研究では, 子葉展開直後の幼苗を用いてその生長と花芽分化への根温の影響, 第1花房開花始めから果実収穫までの根温が結実および果実収量に及ぼす影響を明らかにしようとした.