知能と情報
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原著論文
ファジィ適応型構造要素を用いたファジィモルフォロジとその包装袋不良検出への応用
菊池 拓男村上 周太
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2004 年 16 巻 4 号 p. 349-360

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抄録

ファジィモルフォロジは、一般的に曖昧な画像からの特徴抽出のための手法として知られている。ファジィモルフォロジは対象画像とある一定の形状と値を持った構造要素の集合演算であり、構造要素のサイズ、形状及びその値は演算前に予め選定する必要があるとともに、その選定結果は処理画像に大きな影響を及ぼす。このためにファジィモルフォロジは画像処理検査システムヘの応用は難しいものとなっている。本論文では、対象とする画像の局所的特徴を求めることで、サイズ、形状及びその値が動的に変化するファジィ適応型構造要素(FASE: Fuzzy Adaptive Structuring Element)を用いたファジィモルフォロジを提案する。ファジィ適応型構造要素は局所領域の変化量により自動的に構築されるため、予め構造要素を選定する必要がないのと同時に、曖昧画像中の微小な特徴を効果的に抽出することができる。また、提案手法を包装袋のシール不良判別システムヘ応用し、従来法では難しかったシール不良の特徴を有効に強調するとともに、他の手法と比べて無駄バネ、見逃しとも少なく、効果的な判別(システムの認識率95.65%)を行うことができることを示す。

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© 2004 日本知能情報ファジィ学会
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