日本医真菌学会雑誌
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ケラチナーゼに対するモノクロナール抗体の作製
田澤 真理樋口 道生滝内 石夫土田 一雄石舘 周三安達 健二
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1993 年 34 巻 1 号 p. 35-41

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抄録

Microsporum canis由来のextracellular keratinase (eKase) をカラム・クロマトグラフィーや, 高速液体クロマトグラフィーを用いて単離し, BALB/cマウスに免疫し, モノクロナール抗体 (mAb) を作成した. 作成されたmAbをCNBr-activated Sepharose 4B gelにcouplingし, このgelにeKaseを結合させ, gelごと活性を測定したところ活性が証明された. mAbとeKaseを37℃, 15分間反応させると, eKaseによるカゼイン分解能は阻害された. SDS電気泳動を施したM. canis由来のeKaseについて, mAbを用いてimmunoblotをおこなったところ, 48KDのmain bandの他に, 34KDの部位にmainor bandが染色された. 菌株の異なるM. canisより, 異なる時期に, 別々に分離したeKaseのimmunoblotでは, 一方は48, 34, 31.5KD, もう一方は, 34と31.5KDの部にbandが染色された. また, enzymographyの結果, 3者とも同一の部位に溶解像が観察されたことから, eKaseは2種または, 3種のisozymeを持つ可能性が高いものと思われた.

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