日本東洋医学雑誌
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不定愁訴に対する加味逍遥散の作用
喜多 敏明伊藤 隆嶋田 豊新谷 卓弘寺澤 捷年
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1997 年 48 巻 2 号 p. 217-224

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抄録

加味逍遥散が有効であった不定愁訴症候群患者9例を対象に, 身体的ならびに精神的愁訴について検討した。投薬前後で, 阿部の自律神経失調症の問診表の43項目と Cornell Medical Index の51項目 (M~R) を施行したところ, 3ヵ月間の加味逍遥散投与により, 身体的愁訴の数は平均19.9から9.1に減少し, 精神的愁訴の数は平均16.7から9.3に減少した。
加味逍遥散が適応となる臨床像を明らかにするために, 身体的愁訴を7つのカテゴリーに, 精神的愁訴を6つのカテゴリーに分けて投薬前のそれぞれのカテゴリーに対する平均訴え率を検討したところ, 身体的には運動器と疲労に関する訴えが多く, 消化器に関する訴えが少なく, 精神的には過敏・怒りに関する訴えが多く, 抑うつ・緊張に関する訴えが少ないという特徴を認めた。

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