整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
当院におけるcortical bone trajectoryを用いた腰椎椎体間固定術の治療経験
比嘉 勝一郎屋良 哲也伊藝 尚弘仲宗根 朝洋勢理客 久金谷 文則
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 65 巻 3 号 p. 418-422

詳細
抄録

cortical bone trajectory(以下CBT)は,椎弓根に対し内側から外側へ,尾側から頭側へ向かう椎弓根スクリューの刺入軌道で,スクリューの刺入点が従来よりも内側にあることにより,後方筋群の展開を最小限に抑え,より低侵襲な手術が可能となる.当院では腰椎椎体間固定術に,CBTを用いている.今回,CBTを用いて1椎間の腰椎椎体間固定術を行い,術後1年以上観察が可能であった15例について報告する.【対象】症例は男性10例,女性5例.年齢は44~74歳(平均65歳).腰椎変性すべり症9例,その他6例.高位はL4/5:12例,L3/4:3例.観察期間は12~23カ月(平均19.2カ月)であった.【結果】手術時間は2時間12分~4時間3分(平均3時間31分),出血量10~350ml(平均121ml),術後12~22カ月の単純X線像で,15例中14例に骨癒合を認めた.術後6カ月で偽関節と診断した1例は,術後18カ月で再手術を行い,経過観察中である.【結語】CBTを用いた腰椎椎体間固定術は有用な治療法と思われた.

著者関連情報
© 2016 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top