2007 年 48 巻 3 号 p. 237-242
韻律的特徴および分節的特徴の両面から, dysarthriaの音響的特徴の評価を行った.共通の結果としては, 基本周波数 (F0) レンジの縮小が今回評価したすべてのdysarthriaに対して観察された.さらに, 原因疾患の違いがF0の分布の違いに反映されていた.また, 子音/母音のパワーおよび5母音のフォルマント周波数の対比はdysarthriaでは弱められていた.上記分析結果はまた, F0レンジと母音のフォルマント周波数の問に関連があり, 音声訓練によって韻律を強調することで構音も改善されている可能性を示唆していた.