環境化学
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LC/ESI/MSを用いた陰イオン界面活性剤LASとLAS生分解生成物の環境中挙動及び毒性評価に関する研究
前田 絵梨子野見山 桂篠原 亮太
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2006 年 16 巻 2 号 p. 239-248

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抄録

LASとLASの生分解生成物SPCの汚染状況を調べるために, 本研究で開発したLASとSPCの分析方法が十分に環境試料に適用可能であることを確認し, 環境中濃度分布を求めた。さらに, 両物質のエストロゲン・アゴニスト作用及びアンタゴニスト作用を改良酵母エストロゲンアッセイ系試験: 法により検討し, 併せて酵母毒性試験法を用いて微生物毒性を求めた。
本研究で調査した河川流域では, LAS濃度及びSPC濃度は水生生物に影響を及ぼさない程度であったが, LASがSPCより高い濃度で検出されたことから, 下水道普及率は十分ではなく, 生活排水の寄与が高い河川流域であったと考えられる。一方, 河川及び干潟底質中からはLAS及びSPCは殆ど検出されなかったが, LASとSPCの環境中挙動について鉛直分布調査を含めた十分なデータの蓄積が必要であろう。
酵母Two-hybrid及びYTOX試験を用いた環境毒性評価において, LASとSPCのエストロゲン・アゴニスト作用及びアンタゴニスト作用は認められなかった。酵母毒性試験: より, LASの微生物毒性は非常に高いことが再確認されたが, SPCの微生物毒性はLASより低く, 水環境に影響を及ぼすレベルではない結果を得た。

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© 日本環境化学会
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